同性婚が必要な理由。ストレートの方にも読んでほしい、パートナーシップ制度と結婚の違い。

同性婚が必要な理由。ストレートの方にも読んでほしい、パートナーシップ制度と結婚の違い。

2月7日

 

こんにちは、Nozomi(Nozomi_UK)です。

 

 

皆さん、とても突然ですが来たる2月14日の木曜日、日本全国の同性カップル13組が「同性同士で結婚できないのは違憲だ」として国を相手取り、一斉提訴をするという事はご存知でしょうか?

 

 

 

また、それをサポートするためにchange.orgで署名を集めたり、ウェブサイト「Marriage For All Japan」が開設されるなど、実は少し前からこの一斉提訴に向けた活動がなされているのです。

 

 

 

今これを読んでいる方の中には、まさに同性カップルの当事者の方もいるかもしれないし、自分には同性婚など全く関係ないという方もいるかもしれません。この提訴に関しても、人によって違う考えを持っているかと思います。

 

 

 

なので、敢えてこの記事では提訴に対する考えや、同性婚の是非について僕の思いを述べる事はしませんが(以前に書いた杉田議員の発言を受けての記事から分かるかとは思いますが)、その前に「なぜ同性婚を必要とする人がいるのか?」とうことを少しまとめてみようと思い立ち、この記事を書くことにしました。

 

 

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日本で同性婚はできないの?

僕は今現在イギリスに住んでいるのですが、この前の年末年始に一時帰国した際、「ミッキー(夫)とはイギリスでは結婚してるけど、日本では結婚できないから厳密に言えばただの友達と変わらないんだよね」と友人に言うと驚かれる場面が何回かありました。

 

 

やはり当事者ではなかったり、関心がない場合は知らない人がいるのはしょうがないとは思いますが、2019年2月現在、日本で戸籍上同性である者同士が結婚することはできません(イギリスに戸籍はありませんが)。

 

 

現在、世界では25ヶ国で同性同士の結婚が法律で認められており、また同性婚はできなくても結婚と同等の権利を認める登録パートナーシップの制度を設ける国は他に15ヶ国あります。(その他にもメキシコでは一部の州で同性婚を認めています)

 

 

つまり、40の国と地域では同性カップルが異性カップルと同様に扱われる法律が整っているのです。

 

 

しかし、この40の国のいずれにもアジアの国は含まれていません。

 

(注:台湾は今年の5月までに同性婚を認める方針)

 

 

ここで、「あれ?日本でも渋谷とかで結婚とか、パートナーシップできるんじゃないの?」と思われた方はいませんか?

 

 

そう思われた方は是非続きを読んでみてください。

 

 

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日本のパートナーシップ制度

日本では11の自治体において同性カップルが『パートナーシップ宣誓』というものをすることができます。

 

 

これをすると自治体が「あなた方をカップルとして証明しますよ〜」と公正証書を発行してくれるのですが、現在パートナーシップ制度を導入している地方自治体は以下の通りです。

 

(2019年2月6日現在)

 

・東京都
渋谷区
世田谷区
中野区

・三重県
伊賀市

・兵庫県
宝塚市

・沖縄県
那覇市

・北海道
札幌市

・福岡県
福岡市

・大阪府
大阪市

・群馬県
大泉町

・千葉県
千葉市

 

(注:札幌、福岡、大阪、千葉はトランスジェンダーの方も登録できるよう、異性間でもパートナーシップ登録ができるようになっています)

 

 

しかし、この全てが「条例」または「要綱」という立場を取っており、簡単に言うと結婚のように国によって法律で認められたものではないのです。

 

 

ただ、「法律で認められてないとどうなるの?」と思う方もいるでしょう。

 

 

ということで次に、結婚とパートナーシップ制度は一体どのように異なるのかを見ていきます。

 

 

11の自治体ではパートナーシップ制度を利用できるが、これに法的効力はない…!

 

 

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結婚とパートナーシップ制度の違い

 

1. 「条例」と「要綱」

先程も説明したように、パートナーシップ制度を導入している自治体は、「条例」または「要綱」を定めた上で、制度を導入しています。

 

 

「条例」とはいわゆる自治体の中の決まり。その自治体の中に限ってはある程度の法的効力を持つので、何か違反があった場合には自治体が罰則を課すことができます。

 

 

一方で「要綱」とは別の言葉で置き換えると「ガイドライン」のようなもの。役所が『同性カップルも平等に扱いましょう』と意識を共有するもので、何か法的な力がある訳ではありません。

 

 

また、11の自治体の内、「条例」として定めているのは渋谷区のみで、他の自治体は全て「要綱」を定めた形となっています。(中野区は希望するとより強い効力のある公正証書を受け取る事も可)

 

 

つまり、居住する自治体によってはある程度の権利が保証されている場合はありますが、自治体によって内容も異なりますし、また国の法律によって認められている訳ではないため、保証されている権利は限られてしまうのです。

 

 

2. 具体的にどんな場面で不便なのか

では、そろそろ細かい内容に焦点を当てていきましょう。

 

 

これまで何度も述べていますが、「結婚」とは違い「パートナーシップ制度」はカップルであることが法律によって公的に認めらていません。

 

 

同性カップルを「カップル」と認める法的効力のある制度がないため、同性同士のカップルと「結婚」している人の間には、例えば以下のような場面において差が生まれてしまいます。

 

・相続権

同性カップルの一方が遺書を書く前に死亡した場合、相続人となる事ができるのは一定の親族であるため、親族ではない同性パートナーは相続人となることができない。

 

・医療保険の被扶養者

同性カップルの一方が病気のため働けない状態となり、もう一方に扶養された状態であったとしても、医療保険の被扶養者として認められず自ら保険料を払う必要がある場合がある。

 

・所得税の配偶者控除等

同性カップルの一方だけが働きその収入だけで生活していた場合でも、所得税の配偶者控除や配偶者特別控除を受けられない。

 

・医療情報の開示、面会拒否
パートナーが入院した場合や治療が必要な場 合、医療情報は家族にしか開示されなかったり、緊急手術への署名ができないケースが多い。また、家族ではないため面会を許可されないことがある。

 

・介護休暇や育児休暇の取得
パートナーに介護が必要な場合や、パートナーの連れ子の育児のために休暇を取りたい場合でも、法的に家族として認められないため休暇取得が困難である。

 

・公営住宅への入居拒否

多くの自治体では公営住宅の入居条件を同居親族としているため、法的に親族ではない同性カップルは入居することができない時がある。また、民間住宅の入居の場合でも同性カップルは拒否されるケースが多い。

 

・共同親権を行使できない

男性と子どもをもうけた女性が、その後男性と別れ女性とカップルになり子どもを育てたり、精子ドナーを利用し出産した子どもを女性同士で育てる際、同性カップルは共同親権を行使することができず、実母が遺言を作成せずに亡くなった際などもそのパートナーが親権を行使することはできない。

 

・滞在ビザ

僕たちのようにカップルの一方が外国人である場合、海外で法的に同性婚をしている場合でも日本ではそれが結婚として認められないため、配偶者ビザを申請する事はできず日本に滞在するためのビザの選択肢が限られている。

 

 

例を挙げればまだ他にもありますが、このような状況において、同性カップルであるが故に直面せざるを得ない問題が多くあるのです。

 

 

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最後に

初めにも述べたように、この記事を「同性婚を認めよう…!」という主旨のものにするつもりはありません。

 

 

今回僕が書きたかったことはあくまでも『パートナーシップ制度と結婚は何が違うのか』ということです。

 

 

ただ、これを最後までお読み頂いた方は、僕たちのように日本で結婚したくてもできない人がどのような状況にあるのか、そしてなぜ僕たちは同性婚の合法化を必要とするのか、という事を少しは理解して頂けたかと思います。

 

 

もちろん、同性婚に対してそれほど強い思いを持っていない同性愛者、両性愛者、トランスジェンダーの方もいます。

 

 

しかし、セクシュアリティや戸籍上の性別によって、異性カップルの方々との差が生まれてしまうことについて、考える必要はあるのではないでしょうか。

 


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参照:

同性婚人権救済弁護団ウェブサイト
http://douseikon.net

NPO法人EMA日本ウェブサイト

http://emajapan.org

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